妄想8割

告知ください

-人の形をした国の在り方- ヘタミュ妄想多めの感想

 

観劇してきました

ミュージカル「ヘタリア~Singin' in the World~」

 

ずっと大切で大好きなキャラクター達がそこに立って歌って踊ってる。

怒って泣いて笑ってるあの光景は一生忘れないと思います。

 

わたしは8年くらいヘタリアがずっと大好きで、テニミュから入って舞台を観に行き始めたのが約5年前くらいなので、一応どちらのジャンルもかじっている状態です。

テニミュで近江くん、菊池くん、廣瀬くん、杉江くんを、ペダステでは植田くん、「マルガリータ」で寿里、「里見八犬伝」で長江くんを舞台で見たことがありました。

 

今回初めて舞台を観に行く人が非常に多いイメージで、なおかつ始まる前からかなり叩かれてたり「全員日本人なんて」とか本気で言ってる人がいたりとなにかと騒がれてたけど、キャストの皆さんが総じてキャラを確実にとらえて声までがっつりアニメに寄せてくれたおかげで2.5次元舞台のなかでもかなり初心者に優しい舞台だったのでは。

喋り方ならともかくあそこまで声質まで寄せるのは本当にすごい。

 

 

日替わりすっごい面白くて本当に毎公演行きたかった。

こんなのキャラじゃないよーっていう人も中にはいたけど、私自身テニミュや舞台を観によく行く人種なので日替わりのキャラ崩壊は慣れてるというか、その日に見た自分の特権のように感じて好きです。

すごくフィルターをかけてるので多少キャラ崩壊してても、これも新たな一面♡と思ってしまう。好きなキャラが無茶ぶりしたりされたりして笑いをこらえてるのがすごい可愛いですめちゃくちゃ楽しかったです。 公式公認の二次創作みたいなもん。

植田圭輔の頭の回転の早さに日々感動してました。

 

 

 

 

-----------------------以下ネタバレ有りのほぼ妄想で語る感想----------------------------

(間違ってる可能性大のセリフとかバンバンでてきます)(本当に妄想だらけです)

 

 

24日昼夜、28日昼夜、29日夜を劇場で、26日昼夜をニコ生で観劇しました。

 

事前からけっこう情報は漁っていたのですが、

脚本家の方の直近にやっていた舞台がギャグマンガ日和だったこともありヘタリアもオムニバス短編漫画なので、バカバカしくてずっとキャラクターたちがキャイキャイしてるのを見て笑うような舞台なんだろうなーって思ってたらなにやら違う雰囲気で。

公式ツイッターがあげてくれる稽古情報やキャスト個人のツイッターで、「米の曲が泣ける」みたいなこと呟いてたので倉庫掃除あるんだ!?泣かせてくんの!?ってびっくりしました。

もうすっごい楽しみ。シリアスパートまでやってくれるんだ〜つって。

そして幕が上がったらなにやら荘厳なイントロが流れて「おや?」って感じで、

進んで行くにつれてわかったけどすごく史実に沿ってるヘタリアだったんですよね。

大体WW1〜WW2の枢軸国敗戦までのストーリーで、史実と原作の中間あたりをとった感じ。原作よりもキャラクターが「国」として生きていて、史実のかなり暗い部分をコミカルに歌っちゃったり。

 

比喩が多く、植民地のことを弟と称したりしてます。

こちらの記事にとてもわかりやすくまとめられているので、許可をいただきリンクを貼らせていただきます。

【ネタバレ含む】ヘタミュ、史実元ネタ解説 - Privatter

(後々ブログにまとめられるそうなので、まとめられましたらリンクを張り替えさせていただきます。)

 

 

 

 

 

能天気で明るい顔の裏にトラウマをかかえる伊と

孤独の恐怖を抱えて茨の道を進もうとする独の友情物語

 

伊は原作よりも、ローマ爺ちゃんと神ロが消えてしまったことを根深くトラウマになっているようで、不安なことがあると昔のことを思い出してた。

ローマ爺ちゃんみたいになっちゃ嫌だって言ってたのに神ロは強くなりたいといって消えてしまった。独にまでそうなってほしくないってかなり明確にしてました。原作にあまり無い部分です。

 

一方の独さん。

独逸を日本語にすると「孤独」と「逸脱」

「いつか俺もひとりになるのか」このセリフに独の自我がみえました。

自国のためにたとえひとりででも動かなければならない「国」としての自分と、

ひとりになりたくないと孤独を恐れる「個人」としての自分

そんな独の側にはいつも伊がいるんですよね〜

伊「可哀想なド.イ.ツ… そうだよ、側にいてあげなきゃ」

強くないけど戦えないけど、つらいときに側にいてくれる友情。

伊が側にいる時は独も怒ったり怒鳴ったり呆れてみせたり、「俺が面倒をみなくては」って思うと心強くいられるんですよね。

極寒の露で眠ってしまいそうなとき、伊の「あの歌」の幻聴が聞こえると

独は連合軍をひとりで返り討ちにして圧倒的勝利をおさめる夢を見れる。

独にとって伊の存在まじですげー強い。

 

ラストシーンの独の号泣。陽ちゃんの熱演に拍手喝采。

負けたことの悔しさはもちろんだけど、気が抜けたんだろうな〜って勝手に思ってすごい泣いてました。

勝つためにずっと気を張っていてずっと頑張っていておなかも空くよね。

精神的支えになっていた伊が自分の身をあんじてパスタをつくってくれて、張りつめていたものとか背負っていたものがスッと降りた安堵もあるような…。

 

 

 

「国」として存在することの残酷さ

 

― 良いときも、悪い時も ―

このフレーズがずっとわたしの頭に残っていて、舞台板のヘタリアからみえる「国」のあり方を説いているように聞こえました。

前述のように、原作よりも「国」としての責任が強いキャラクターになってるので、人の形をしたほとんど不死身といっていい存在が戦って傷ついてそれでもすべての国民の代表として生きていなければならない。

このシーン、バタバタと倒れていった国々が音もなくスッと立ち上がってきて、なんだか不気味なんだけど神聖な雰囲気なんだよね。個人としての感情がどうであれ、国としてどんな状態になっても立って進み続けなければならない。例え、良いときも悪い時も。

「健やかなるときも病めるときも」の誓いの言葉のオマージュにも聞こえる。

国の永遠を誓う復活の歌。

 

あともうひとつ、枢軸国誕生のシーンもそうで、

 「一、二の三で日独伊〜♪」の曲が多分全編通して一番泣きました。

日「まるい地球のその軸が私たちという意味をこめて名付けましょう、枢軸国と」

このとき歌い上げる日の足下に転がってるアンサンブルさんが屍のようにみえます…

自国民か敵国民かわからないけど、屍を越えてなお笑顔で歌い上げる日の姿に上手く言葉にならないけど鳥肌たちました。あとここの日の歌と声が単純にすごく良い。

曲調がガラッと変わり、質素倹約を誓う独と日。

大好きなビール断ちを誓う独の後ろで連合が乾杯して酔っぱらってるところでもう余裕の差が切ない。日の居合い切りが半端無く綺麗です。

曲調が戻る。負けることがわかりきった同盟なのに、三人がすごく嬉しそうに輝かしい未来を夢見て笑ってるんですよね…。白い光を眩しそうに、三人で肩を組みながら見上げてる。この先がどんな険しい道になるかわかっててその上で、このときは本気で世界の中心で三人で美味しいビールで乾杯できると思ってる。一種の青春群像劇みたいな。

「国」として生きる残酷さをひしひし感じました。

 

伊が「国」と「人」との間で揺れる描写が秀逸。

ローマ爺ちゃんは「お前はパスタ食って歌を歌っていればいいんだよ」って言う反対側では神ロが「そんなんだから周りの国にいじめられるんだ!」っていって戦いを促してくる。

人間らしく謳歌する道と国として戦い挑む道の間で悩んでる様がまたヘタリア感。

 

逆に、個人の感情を強く感じるシーンも多々ありました。

独の「お前は俺の側にいればいいんだ」もそうだよね。

一番アアア〜〜〜ってなったのは日と米のコタツのシーン。

米が睨みをきかせていて身動きがとれずに伊に独を勝手に託してた日が、湯のみにヒビが入ったのを見たとたん(もしくはイタリアの叫びが届いたとたん?)靴下のまま飛び出そうとするところ。肉じゃがのときはちゃんと靴をはいてから踊ったのにね…。

猫騙しは史実の比喩かなって思ったけどそのへんはちょっと控えます。あとおもちも怪しいですここ。

 

 

だらだらとりとめもなく語ったけど、結局なにを言いたいかというと

ヘタリアが好きな人が一度は考えては見たけど思考の宇宙に漂ってしまったであろう、

“「国」という存在”を舞台版として答えを示してもらえたこと。

その答えの、「国」の部分と「人」の部分のバランスがとんでもなく絶妙だったこと。

利己的に計算高く狡猾で冷徹で、でも笑ったり泣いたり怒ったり傷ついたり、変なこと言って無茶ぶりしてみたり、どこまでも国で人間だった。

本当に本当に素晴らしい解釈でした。

この解釈っていうのは、脚本演出だけではなく役者の皆さん、ヘアメイクさんメイクさん照明さん、スタッフのみなさんが全力で愛をもって作り込んでくださった結果のことです。

正直こんなに深く掘り込んでくれるとは思ってなかった。

大好きなヘタリアのキャラクター達の新しい一面が知れました。

 

製作関係者のみなさん、本当にお疲れ様でした!

おかげさまで年末に会社を仮病で二日間休んで地方からブルーシアター通いました。

また希望としてはアンサンブル含めすべてのキャストさんが揃っての再演・続編をお願いしたいです!そしてまずはDVD発売と発売イベ楽しみ〜〜〜!!!!

 

そして、最後にこれからのヘタミュをどう応援していくか。

この流れだときっと再演または続編あるだろうと思います。

このまま人気が持続すればそれこそテニミュやペダステ等他の2.5次元舞台のようにシリーズ化も夢じゃないかもと正直思ってます個人的に。

ただそうなるとキャストの問題等いろいろ出てくるわけで、わたしも強く「キャスト続投で!!!!!!」って思ってるけど実際どうやっても無理な場合もあるんですよね。どうしても何らかの理由で出演できないキャストが出てくることがあります。

だからもし、そうなった時に絶対に幕の開く前から否定をしないでほしいです。

今回も幕が開くまでこんなに良い結果になるとわからなかった方も多いでしょ?

 

こちらのブログ様にその点に関しても、他の点に関しても応援の仕方について書かれていますのでぜひご拝読ください。

 

iromare.hatenablog.com

 

最推しである島国二人を何も語ってないですが長くなったんでこのあたりにしときます。

読んでいただいてありがとうございます、ほぼ妄想で失礼しました。